経口補水液(ORS)の作り方

【簡単レシピ】

砂糖:20g〜40g
(ブドウ糖10g〜20gでも良い)
食塩:3g
水:1000L

 

メリット
ブドウ糖とナトリウムの濃度比率、浸透圧がORSの理論値に近い。

デメリット
甘くて飲みにくい、カリウムの含有がない。


【改善レシピ】

簡単レシピにレモン果汁かグレープフルーツ果汁を添加する
・簡単レシピ+グレープフルーツ10%添加⇒浸透圧は278m0sm/L
・簡単レシピ+レモン5%添加      ⇒浸透圧は268m0sm/L
               (浸透圧は285m0sm/L以下が望ましい)

メリット
果汁を添加することで、風味や味覚が改善されて飲みやすくなり、
同時にカリウムを補うことができる。

デメリット
果汁が多いと糖濃度が増加し、浸透圧が高くなり吸収が悪くなる。

【参考】
  10%添加とは水1Lに対して果汁100mLを添加すること、
  5%添加とは水1Lに対して果汁50mLを添加すること。

※「かくれ脱水」委員会副委員長 谷口英喜氏著作

     「経口補水療法ハンドブック[改訂版]」より抜粋


■手づくり経口補水液(ORS)使用の注意点

素材の計量を間違えると効果が低減したり、かえって症状が悪化する場合がある。

糖が含有されているため、清潔に作製しないと感染源になる。

砂糖を使用すると吸収には消化(分解)が必要となる。

無菌的ではないため保存はせず、すぐに使用するべきである。

適切な濃度のカリウムを配合するのは難しい。

発汗によるナトリウム喪失型の脱水には対応できるが、
 カリウムを多く失う下痢や嘔吐による脱水には不十分である。

手づくり経口補水液は、注意事項を理解して使用してください。

※「かくれ脱水」委員会副委員長 谷口英喜氏著作

     「経口補水療法ハンドブック[改訂版]」より抜粋